災害時の連携を考えるかながわフォーラム2024を開催(2024年2月)

県内で広域災害が起きた際に、自治体と地域内外の民間団体が連携して被災者支援活動にあたれるよう、多様な主体間の平時からの関係づくりを進めることを目的に、災害時の連携を考えるかながわフォーラムを開催しました(2024年2月7日)。

当日は、県内の複数の市町の行政、社会福祉協議会、市民活動支援センター、NPO・大学等民間団体の関係者など56名がオンライン上で集まりました(一部関係者は会場に集合)。

基調講演として、災害支援ネットワークちば(通称:CVOAD)代表の加納氏より、「誰一人取り残さない災害支援をめざす 災害支援ネットワークちばの取組み」と題して、令和元年房総半島台風をきっかけに始まった千葉県内の災害支援活動や、CVOAD発足後これまでの取組みについてお話を伺いました。

話題提供では、県内での災害に備えた地域内連携の取組事例を、2つの組織からご紹介いただきました。1つ目は、逗子市防災安全課より「妊産婦・乳児福祉避難所について」ついて、2つ目は神奈川工科大学 小川先生より「災害に備えた地域連携~大学が果たす役割」についてお話しいただきました。どちらも複数のセクターと連携した取り組みで大変参考になりました。

本協働事業の報告では、協働部署より3年間の総まとめとしてコメントをいただきました。コメントの一部を抜粋・要約して掲載します。
<危機管理防災課>
危機管理防災課は、地域防災計画の調整や防災会議、災害時の応急対策、防災訓練の企画・運営などを行っています。この3年間の「みんかな」との協働事業では、情報提供・意見交換と訓練実施に関する助言・協力が主な取組でした。
情報提供・意見交換は、みんかなの連絡会議や図上訓練の見学を通じて行われ、相互理解を深めました。訓練実施の助言・協力では、災害や被災状況の想定作成に関与し、行政やNPOなどの連携体制構築のワークショップに参加したことで他の団体の災害時の役割や支援内容を把握することができ、平時からの連携を深めることの重要性を再認識することができました。
基金21協働事業の終了に伴い、神奈川県被災者支援機関連絡会議の規約策定が進められており、今後も被災者支援機関の連携体制の充実・強化に取り組んでいきます。

<地域福祉課>
地域福祉課の3年間の取組は主に、災害時の要配慮者への支援に関する情報共有や意見交換と勉強会の開催の2つでした。
情報共有や意見交換では、2か月に一度の連絡会議で「かながわ災害福祉広域支援ネットワーク」の研修や訓練の取組を共有し、みんかなのメンバーも基礎研修を受講しました。地域福祉課は「かながわ災害福祉広域支援ネットワーク」と民間支援団体の連携を今後も続けたいと考えています。
勉強会では、令和4年8月に「災害時要配慮者の支援について学ぶ」をテーマに、NPO法人レスキューストックヤードの浦野氏による講義が行われました。地域福祉課は支援制度全般を説明し、みんかなからは協働事業の取組が報告されました。
この協働事業は、災害時に民間支援団体の支援を適切かつ円滑に届けるために、平時から行政と民間支援団体の連携体制を構築することを目指しています。今後もしっかりと連携していきたいと考えています。

<NPO協働推進課>
NPO協働推進課は、企業やNPO、大学などに出会いの場や学びの機会を提供し、協働・連携を促進する取り組みを行っています。この3年間で「みんかな」との協働事業の主な取り組みとしては、地域の市民活動支援センターと協力して開催する「企業・NPO・大学パートナーシップミーティング」です。
毎年1か所は「防災・災害支援・災害連携」をテーマにして、みんかなの協力を得て実施しており、令和3年度には横須賀三浦地域で、昨年度は藤沢でオンライン開催されました。今年度は2月10日に鎌倉商工会議所で「「防災」で地域をつなぐ・地域とつながる」をテーマに開催予定です。
基金21協働事業は今年度で終了しますが、来年度以降もみんかなと協力して「防災」や「災害連携」をテーマにしたパートナーシップミーティングを各地域で開催し、災害支援に取り組む企業、NPO、大学等のネットワーク作りを続けたいと考えています。

<かながわ県民活動サポートセンター>
平成8年4月、阪神淡路大震災を機に神奈川県内で被災地支援の機運が高まり、当センターはボランティアの活動拠点としてオープンしました。それ以来、中越地震や東日本大震災などで災害ボランティアが活躍してきました。
こうした活動を通じて、災害時のきめ細かい支援には、行政だけでなくボランティア団体やNPOなど多様な主体との平時からの連携が必要であることがわかってきました。
「災害復興くらし応援・みんなのネットワークかながわ」と連携し、平時からの連携体制構築を目指した会議や訓練を行い、災害時情報共有会議の枠組みを議論しました。その成果として「神奈川県被災者支援機関連絡会議」の規約を定めることができました。規約策定においては、神奈川県は災害対策本部の構成員である「安全防災局」「政策局」「福祉子どもみらい局」が横断的に取り組んでおり、この取り組みは全国的にも先進的です。災害基本計画でも、多様なNPO等との連携体制づくりが自治体の責務として位置づけられました。こうした取り組みは全国で進められています。
神奈川県被災者支援機関連絡会議を継続し、多様な支援主体が連携するプラットフォームとして機能させることが重要です。当センターは神奈川での「もれ・むら」のない切れ目のない支援を目指し、皆様と共に進んで参ります。

【当日の内容】
・講演「誰一人取り残さない災害支援をめざす 災害支援ネットワークちばの取組み」(CVOAD代表 加納氏)
・話題提供
(1)「妊産婦・乳児福祉避難所について」(逗子市防災安全課)
(2)「災害に備えた地域連携~大学が果たす役割」(神奈川工科大学 小川氏)
・報告「かながわボランタリー活動推進基金 21 協働事業 「広域大規模災害に備えた平常時からの行政、社協、NPO 等の連携体制構築」について」(神奈川県、みんかな)

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